「輝くん、ごめんね。
ひどいこといっぱい言って、遠ざけようとした」

「いいよ」

「でも、傷ついたでしょ?
本当に……ごめんなさい」



唇をきつく噛み締めた。



梓ちゃんも、輝くんも。

ずっと仁葉のことを想ってくれていたのに、仁葉はふたりから逃げていた。



最低なことを、したんだ。



「悪いと思ってるんだ?」

「うん」

「じゃあ、俺と梓のそばで泣いて。
そんでまた、笑ってくれ」



そう言って、輝くんが仁葉の涙をすくう。



ふっ、と優しく笑った君の向こう。

いつの間にかオレンジ色に変わった太陽がきらきらと変わらず光っている。



「輝くん」

「ん?」

「────ありがとう」



ああ、……うん。

眩しくて、だけどとても〝愛しい〟ね。










仁葉は泣きながら、ただ笑った。