「でも、たまには光ちゃんも怒ることがあったんだ」
どういう時? と輝くんが尋ねてくる。
「……仁葉が危ないことをした時」
階段から落ちそうになって。
車に引かれそうになって。
仁葉が光ちゃんにどれだけ迷惑をかけても怒らないのに。
仁葉が危険な目に合いそうなことをした時だけ。
それは、光ちゃんの優しさ。
優しすぎるくらいの、優しさ。
「ごめんなさいって謝ったら、いいよって笑ってくれるの。
怒ってごめんね、って光ちゃんはなにも悪くないのに、謝って抱き締めてくれた」
「そうか」
「光ちゃんのふわふわってした笑顔、大好き」
甘い、甘い笑顔。
さらさらの髪を揺らして、はにかむようにたくさん笑ってくれた。
年上なのに、可愛いって思っちゃうくらい魅力的だったんだ。

