諦めてグラウンドをほてほてと歩く。
「次はなぁに?」
「50メートル走よ。
ソフトボール投げも、立ち幅跳びも済んだから、これが終わったら体育館ね」
「はーい」
じゃりじゃり。
砂を踏みしめる。
50メートル走は同時に6人となかなかハイペースで走っているけど、ちょっと混んでるみたい。
梓ちゃんと最後尾に並ぶ。
校舎側をちらりと見ると、体育館にいた男子がソフトボール投げの列に増えている。
何人かは記録を測る手伝いのために、距離をとっているように見える。
その中に、坂元くんの姿。
こうして遠目から見ると、坂元くんの髪色だけが輝いて、目立っている。
本当、見つけやすい色だなぁ。
びしっ! と立っているわけでもなく、かといって力の入っていないだらけた体勢でもなく。
自然なその立ち姿だけでかっこいいなぁと思う。
やっぱり他の人とは違うんだよね。

