「どうして……。
どうしてあたしたちから逃げるの」
「ふたりが否定したから、もうそばにはいられないだけ」
違う! という悲痛そうな声。
静かな屋上で大きく響いた。
「仁葉は自分を守ってるだけよ!」
「っ、」
「そうやって守ることに必死になって、周りの言葉に耳を貸さないで……。
そうすることで周りを、そして誰より自分を傷つけている」
ああ、その言葉。
いつだったか、ここで似たようなことを聞いたね。
『過去の出来事から自分を守るために、近づいてきてくれる人を傷つけてるところ、大嫌い』
そうだ、輝くんに言っていたんだ。
「……なら、梓ちゃんは仁葉のことが嫌いなんだ。前に輝くんに言ってたもんね」

