その光を、追いかけて。





「どんな人? 夏休みには会った?」



呼吸を繰り返す。

大丈夫、慣れている。

取り繕うことに、違和感なんてない。



ただ、光ちゃんへの想いだけを胸いっぱいに広げたらいいだけ。



「5つ年上の幼馴染だよ!
久しぶりに会いに行って来たんだー」

「ええっ、なにそれー!」

「詳しく話聞かせてよ」

「だめでーす。内緒だよっ」



えへへーっと口元を押さえる。

なんにも変わってなんかいない仁葉。



教室で梓ちゃんが聞いているかもと思うとちょっとだけ言いづらいけど。

でも笑って、光ちゃんの話を口にする。



そのことに後悔はなかった。

そのことが悲しくはなかった。



仁葉は、これでいいの。