「仁葉も青春じゃん!」
「え、え、なに。どういうこと?」
首を傾げれば、みんながきょとん、と仁葉を見つめてくる。
「だって仁葉、坂元くんと付き合ってるんだよね?」
共通の認識で、さも当然と言わんばかりの口ぶり。
それに体中が熱くなるような感覚に襲われた。
「────違う!
仁葉、輝くんのこと好きじゃないもん!」
予想以上に響いた自分の声に肩が揺れた。
みんなが目を見開いて仁葉を見つめている。
輝くんの方に目をやると、いつも傷跡を隠している長めの金髪で目元を覆って。
そして、顔を伏せて教室を出て行った。
「仁葉……?」
「っ、ごめんねー!」
にこり、と笑えばみんなが潜めていた呼吸を元に戻す。
「実はね、仁葉にはずっと好きな人がいるんだ! だから、つい思いっきり否定しちゃった」
びっくりさせちゃったよね、と手を合わせて謝ればそっか、と納得される。
うんうん、と頷く。

