ここに記されてあるのは、涙に濡れた記憶。
そして、どこまでも悲しいくらいに優しい言葉たち。
光ちゃんに甘やかされて、守られて。
仁葉はとっても幸せだった。
ありがとうって言わなきゃいけないってわかってるの。
だけど、……本当は、いらなかった。
なにより仁葉が望んでいたのは、光ちゃんの気持ち。
光ちゃんとの距離。
ただ、そばにいれたらよかった。
もし隣に仁葉がいなくても。
悲しくて仕方がないけど、光ちゃんが誰かを好きでも。
────────生きてくれていたら。
仁葉はただ、それだけでよかったんだよ。
だから、嫌い。
大嫌い。
梓ちゃんより、輝くんより。
仁葉は本当は、
誰より仁葉のことが大嫌いなの。

