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そのまま玄関で息を詰める仁葉。
リビングから聞こえるパタパタという音はきっとママだね。
扉が開いて、近づく気配。
「……仁葉」
気づかわしげな声色に、仁葉はゆっくりと振り向いた。
「うるさくしちゃってごめんね、ママ」
へにゃりと笑ってみせれば、ふるふると首を横に振られた。
「それはいいのよ。でも、……」
「心配しないで。
大丈夫……大丈夫だよ」
笑え。
────笑え。
楽しそうに。
無邪気に。
幸せそうに。
だって。いつもの仁葉でいなきゃだめだから。
「……なにかあったら、言ってね」
「うん、もちろん!」

