「ふたりとも、仁葉の泣き顔なんて見たことないでしょ」
小さく吐き出せば、ふたりともが首を横に振る。
当然だよね。
怒ったり、悲しんだり。
色々な感情を抱いて、わかりやすく表情してきた。
だけど、いつだって笑っていた。
余計な感情は笑顔で誤魔化してきた。
「それが光ちゃんとの約束のひとつだったからだよ」
光ちゃん以外の人の前でなんか泣かないって、決めてるの。
仁葉はもう泣かないって、あの日誓ったの。
「それが、……答えなんだよ。
ふたりはどうしたって仁葉の中の光ちゃんを越えられない」
揺らいだりなんてしない。
してたまるもんか。

