その光を、追いかけて。









卒業式を済ませた数日後。

引っ越しのお見送りは、光ちゃんママだけだった。



光ちゃんパパも見送ってくれるつもりだったみたいだけど、急な仕事で顔を合わせられなかったの。



学校で仲のよかった子たちはみんな、ここ最近の仁葉は知らない人みたい、と距離をとっていた。

だから、わざわざお見送りに来てくれるような人は光ちゃんママ以外にいない。



誰を見ても光ちゃんのことに繋がって苦しいから、ちょうどよかったよね。



「……仁葉ちゃん、笑って」

「光ちゃん、ママ?」

「────笑って。
きっと光は、今のあなたを望んではいなかった」

「っ、」



苦しげに歪められた表情で、告げられた言葉。



それは、重く響く。

仁葉の胸の奥で反響する。




「光のことを忘れないでとは言えないわ。
でも、光が仁葉ちゃんに残したかったものにいつか気づいて欲しい」