光ちゃんママの言葉を聞きながら、仁葉はずっと泣いていた。



眠ることと泣くことを繰り返しながら、たまにママにご飯を食べるように促されて少しだけ口にして。

だけどやっぱりほとんど口にできないから、病院で点滴をしてもらった。



そんな風に生活しながらも、なんとか光ちゃんのお通夜とお葬式には参加した。



本当は怖くて、逃げたかったけど、「仁葉ちゃんと光のためにも出て」なんて言われちゃったら、逃げ出すこともできない。



今さらでも、仁葉が光ちゃんにできることがあるなら、したかった。

仁葉の中にはそれしかなかった。



火葬する時に、仁葉から光ちゃんに送った手紙も一緒に入れていた。

だから、仁葉も光ちゃんにもらった押し葉を入れてくれるようお願いしたの。



光ちゃんが仁葉に体調のことを気づかれないようにしたものを手元に置いておけなかったから。



本当は光ちゃんからの手紙も入れてしまおうと思ったのに、どうしても……手放したくなくて。



それだけは、ずっと日記に挟んである。