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朝早くからかかってきた電話。
いつもだったら目覚めの悪い仁葉が起きることなんてできないはずなのに、ママが電話をとる音に体を起こした。
タン、タン。
スリッパが音を立てる中、ゆっくりと階段を降りていく。
「ママ?」
「仁葉……」
ママが、仁葉を抱き締めた。
強く、優しく。
そしてなによりも……悲しく。
きっと、仁葉はどこかでわかっていた。
嫌な予感って、本当にあるんだなぁ、なんて。
どこか笑い出しそうになって。
でも声もでそうになくて。
痛くて苦しいのは、……どうして。
乾いた声で、震える声で。
呼んでももう光ちゃんが応えてくれないのは、────どうして。

