「仁葉は可愛いよ」
「そんなことないもん」
「でも、僕は好きだよ。仁葉の髪」
「っ、」
「ほら、おいで」
ベッドに座らされて、優しく抱き締められる。
「……濡れちゃうよ?」
「大丈夫」
そっと背中に背を回して、ぎゅうと抱きつく。
ぬくもりが伝わって涙がにじんだ。
……本当は、さっきの話には続きがある。
『仁葉ってノリ悪いよね』
そう言われていたの。
癖っ毛の話は冗談なのにー、とかそういうことじゃないの。
それは、放課後の遊びの誘いをいつも断るってこと。
だから、不服に思っていた友だちはわかっていたのに髪をからかったんだ。
でも、仕方がないじゃない。
仁葉は────光ちゃんに会いに来てるんだもん。

