ねぇ、光ちゃん。
この頃の仁葉はとっても幸せだったんだ。
光ちゃんが入院して、怖くて、さみしくて。
でも、あんまり光ちゃんが辛そうに見えなかったから、どこか安心してたの。
見た目が変わっても、光ちゃんは光ちゃんで。
仁葉の大好きな光ちゃんで。
深く、考えていなかった。
しんどくないわけが、なかったのにね。
いつまで経っても光ちゃんの〝好き〟とは意味が違っても。
それでもいつか好きになってもらえる。
大丈夫、なんて思ってたの。
そんな甘いことを考えていたの。
そんな風に考えている暇があったら、もっと光ちゃんの話を聞けばよかった。
助けてもらうばかりじゃなくて、支えられるような人に成長すればよかった。
仁葉は光ちゃんが大好きだった。
世界で1番、大好きだった。
今でも変わらない、その気持ち。
だけどきっと、それだけじゃだめだったのに。
自分の幸せに浸ってばかりで。
気づけなくて、ごめんね。