その光を、追いかけて。





仁葉を庇って車に引かれそうになった光ちゃん。

大事には至らなかったけど、頭を打ったからと検査をして……。



そして、体の中に腫瘍────つまりできものがあるってわかったの。



仁葉は子どもだからと詳しいことは説明されなかったけど、知っている。

聞いちゃったんだ。






余命は1年だ、って。






今は4月。

もう、その残り時間はあと半年になってしまった。



だけど、だけどね、光ちゃんは諦めたわけじゃない。

むしろ誰よりも必死に闘っている。



期限が決められてしまって、残り時間を家で自由に生きる選択もあった。

なのに光ちゃんはそれを選ばなかったの。



薬の副作用で髪の毛が抜けて。

吐き気に襲われて。

辛いはずなのに、いつだって光ちゃんは前を見ている。



そんな光ちゃんの背中はやっぱり大きくて。

仁葉はその背中を追いかけているんだ。