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「……は、」
柔らかい、ぬくもり。
「とは、……」
愛おしい、声。
「ひ、……は」
大好きなこれは……、
「仁葉」
光ちゃんだ。
ぱちり、と目を開けて、2度3度とまばたきを繰り返す。
むくりと顔を上げれば、おはようと言ってくれる光ちゃん。
そして上半身を起こした彼のいる真っ白のベッド。
清潔なパリッとしたシーツと布団。
「……」
「仁葉? どうかした?」
「おは、よう……」
まだ寝ぼけてる? と笑う光ちゃんが仁葉の髪を優しく梳いてくれた。
もう1度パタン、と布団に倒れて、ふにふにと猫のように顔を押しつける。
部屋も、置いてあるものも、真っ白なここは、光ちゃんが入院している病院。
────そう。
光ちゃんは1年前、仁葉が小学5年生の秋に入院した。

