「仁葉が中学生になって、それでも僕と付き合いたかったら、その時にまたおいで」
「そうしたら付き合ってくれるの?」
「仁葉が望んでたら、考えてあげる」
ぱあっと仁葉は表情を明るくする。
「絶対付き合ってね!」
「……あ、待って。
仁葉が中学生って、僕は高校生だよね。
それはそれで問題だなぁ」
「やだ! 待たない!
もう約束したからね!」
絶対、絶対譲ってなんかあげない。
あと2年我慢して、仁葉は光ちゃんの彼女になるんだから!
「んー、わかったよ。
中学生になったら、ね」
「やったー!」
光ちゃんのさらさらの黒髪に頬を擦り寄せた。
「……ふ、」
「光ちゃん? 急に笑ってどうしたの?」
「仁葉、今、笑ってるでしょ?」
「え、うん。そうだよー。
なんでわかったの?」
「なんとなく、かなぁ」
なんとなくで仁葉のことをわかってくれる光ちゃん。
優しくて、とっても素敵な大切な人。
その背中にとびきり甘く大好き、と囁いた。

