「う、ぅああん、っく、」
座りこんで、しゃくりあげる仁葉。
泣いてる仁葉のそばにいたはずの友だちは気がついたらいなくなっていて、今はひとりぼっち。
痛い、痛い、悲しい。
そんな気持ちでいっぱいで、涙がぽろぽろと零れ落ちた。
じわり、とアスファルトに染みていく。
「仁葉、どうしたの?」
顔を上げてみたら、そこには仁葉の大好きな……、
「光ちゃぁん……っ」
ぎゅうう、と抱きつく。
足に絡みつくみたいになって、光ちゃんが焦った声を出した。
「友だちが心配して、僕を呼びに来たよ?
なにかあった?」
「あのねあのね、同じクラスの男の子がね、仁葉のこと子どもっぽいって、ばかって言ってくるの」