納得したようにうんうん、とママが頷く。
「勇気、出したねぇ」
「……」
「頑張ろうねぇ」
そのまま頭を抱き寄せられておでこがこつん、とぶつかる。
すがるように腕を掴んで小さく「うん」と返せば、ふわりと髪を撫でられる。
「ねぇ、仁葉。
昨日、寝てなかったでしょう」
ぎくり、と肩を強張らせる。
実は、ママの言うとおり。
今日のことを思うと、どうしても眠れなくて。
羊を数えて、時計を見つめて。
うとうと、とうたた寝程度しかできていないんだ。
「少ししか時間ないけど、寝てていいわよ」
「でも……」
「今からお邪魔するのに、そのままじゃだめでしょう」
眠りを誘うリズム。
ぽん、ぽん、と肩を叩かれる。

