「実は誘われた日が、今度3人で遊ぶ日だったから悩んでたんだけど……」
「え」
「思い切って行ってくるね!」
梓ちゃんが瞳をうるうるとさせる。
「仁葉のためだものね……。
仕方がない、我慢するわ!」
「本当にごめんね」
落ちこむ姿に悪いことしちゃったなぁと眉を下げる。
……あ、そうだ。
「なんだったら、ふたりで遊んでて。
仁葉のせいで約束がなかったことになるの、悪いし」
嫌、という言葉をふたり同時に向けられる。
ぱちぱち、とまばたきを繰り返した。
ふたりとも、嫌がりすぎだよ。
「あたしたちのことは気にしないで、楽しんで来てね」
「……うん」
仁葉はへにゃりと情けなく、笑顔を浮かべた。

