その光を、追いかけて。





「なんでこんなやつと……仁葉とふたりきりのランチタイムが……」



ぶつぶつ文句を言い続けているのは、もちろん梓ちゃん。

にこにこ笑顔の仁葉と、無表情の坂元くんもいるせい。

今この机に向かって一緒に食べている3人は表情がバラバラという状況に陥っている。



はたから見たらなかなかに不思議な感じなんだろうね。



「梓ちゃん、美味しいね!」

「……今あたしが美味しそうに食べてるように見える?」

「え、美味しくない?
仁葉のハンバーグ食べる?」

「そういう問題じゃないのよ、仁葉」

「今日のは自信作だよー」



仁葉の的外れな答えに脱力しながらも小さく食べると呟いた梓ちゃんにくすりと笑った。