梓ちゃんが椅子をガタン、と言わせながら立ち上がる。
「あたし、嫌よ!
なんでこんなやつと……っ」
「俺はひとりでいい」
即座に拒否を示してくるふたり。
そっくりだなぁ、本当。
それにしても、こんなに嫌がることないのに。
「どうしても……だめ?」
梓ちゃんと食べるの、楽しいよ。
今日なんかおやつまであって、すごくわくわくしてるの。
甘いお菓子とおしゃべりしながらのお昼。
とっても大好きな、素敵な時間。
だから、坂元くんもいたらもっともっと素敵なのにって思ったんだ。
3人でいたら、仁葉はいつもよりずっとにこにこ笑顔。
嬉しくなるから。
でもふたりが嫌なら仕方がないよね、とため息ひとつ。
そっと見上げていた目を落とした。

