「はい。俺は、間違えたと思ってます」
毎日ひとりで走っていると、いつもみたいに柚季の話を聞いているわけじゃない。
だから、たくさんのことを考えることができた。
陽介さんの気持ち。
柚季への想い。
陸上部での記憶。
そして、ようやく思うことができた。
いくら陽介さんのしたことが最低だったとしても、やり方を間違えた、と。
こうやって、陸上部を巻きこむことに気づけなかった俺にも非がある。
「また練習に励んで下さいね。
陸上部の活躍に期待しています」
「なら、部活動停止は……!」
「それは変わりませんよ」
表情はそのまま。
包みこまれるような優しさを感じるのに、俺の期待は裏切られる。
「職員会議で決まったことですから」
俺の頼みが通ることは、なかった。

