「陸上部、やめないですよね?」
「大丈夫だよ。
しばらくしたらまた行くから」
「……輝が理由、ですか?」
びくり、と肩が震えた。
「わかってて言うなんて、ユズは意地悪だなー」
柚季が小さくすみません、と呟く。
「あーもう、そうだよ。
てるてるがメンバーに選ばれたからだ」
陽介さんの言葉に俺は息を詰まらせた。
そう、か。
陽介さんがここ最近、来ていなかったのは、……俺のせいか。
どこかで気づいていた原因だけど、それでも、どうしたって落ちこんでしまう。
「わかってるんだよ。
てるてるは努力していたからだって」
「でも、あたし、陽介さんの走り好きです! 輝だって本当は大好きなんです!
だから、だから……」
柚季の必死な様子の声に胸が痛くなる。
そして、「でも」に続く陽介さんの言葉に、掌を強く握り締めた。
「────ユズはあいつの方が、好きでしょ?」

