「っ!」
どちらとも無く、息を呑む。
真っ直ぐに春花を見た里桜は、ここに春花がいるとは思わなかったのか素で驚いていた。
春花は、そんな里桜に驚きと少しの喜びを覚える。
少なくとも今の表情は、人畜無害な地味男の仮面を付けていなかったから。
しばらく黙って見つめ合っていると、里桜が突然ハッとして踵を返す。
そのまま走り去ってしまいそうな様子に、春花は「待って!」と大声を上げた。
里桜は止まってくれたが、また逃げられたら嫌だと思った春花は追いかけて彼の制服の裾を掴んだ。
「待って、ちゃんと話をさせて」
「……話って、何を?」
「っ!」
聞き返されて言葉に詰まる。
また一緒にお昼を食べたいとか、膝枕をして一緒に過ごしたいだとか……。
欲しいのは昼休みのあの時間。
取り戻したいのは、仮面をかぶらない本来の里桜。
欲しいものを……取り戻したいものを取り戻すにはどうすればいい?
会話すらできないでいた間に何度も考えた。
彼が離れていったのは、自分が俺様な男が好きだと言ったのに嫌いと言ったからか。
だが、里桜のあの表情はもっと深い傷を抉られたような表情だった。
どちらとも無く、息を呑む。
真っ直ぐに春花を見た里桜は、ここに春花がいるとは思わなかったのか素で驚いていた。
春花は、そんな里桜に驚きと少しの喜びを覚える。
少なくとも今の表情は、人畜無害な地味男の仮面を付けていなかったから。
しばらく黙って見つめ合っていると、里桜が突然ハッとして踵を返す。
そのまま走り去ってしまいそうな様子に、春花は「待って!」と大声を上げた。
里桜は止まってくれたが、また逃げられたら嫌だと思った春花は追いかけて彼の制服の裾を掴んだ。
「待って、ちゃんと話をさせて」
「……話って、何を?」
「っ!」
聞き返されて言葉に詰まる。
また一緒にお昼を食べたいとか、膝枕をして一緒に過ごしたいだとか……。
欲しいのは昼休みのあの時間。
取り戻したいのは、仮面をかぶらない本来の里桜。
欲しいものを……取り戻したいものを取り戻すにはどうすればいい?
会話すらできないでいた間に何度も考えた。
彼が離れていったのは、自分が俺様な男が好きだと言ったのに嫌いと言ったからか。
だが、里桜のあの表情はもっと深い傷を抉られたような表情だった。



