「紗優、なんか大胆になった」 「そんなこと無いもん」 ただ、智くんが欲しいだけ。 顔を見せて。 私を瞳に映した時の顔。 聞かせて。 甘さを含んだかすれた声を。 あなたの心と同じくらいの温かさを。 私に教えて。 「だいすき」 意識が飛びそうになりながら、何度もその言葉を告げた。 彼は、その度に私の額にキスを落として、耳元に返事をくれた。 「俺も」 夢みたいな夜だった。 今度こそ冷めないで。 何度も続く夢でありますように。