質素な一室で、音波は依頼状に目を通していた。 彼女は、いたって普通の女子高校生。しかし、現役の陰陽師でもある。 鄙森家は代々陰陽業をなにわいにしてきた一族。鄙森家に生まれれば、遅かれ早かれ陰陽師として働き始める。 それは、音波も例外ではない。 幼い頃から、音波は陰陽術を習い退魔法を伝授されてきた。 音波の才能の開花は早く、中学三年生になったときには、現役の陰陽師として依頼を受けるほどに成長していた。