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一人きりの朝食を終えたルイは、厨房に自ら足を運ぶ。


毎日の日課である行為が、今日も繰り返された。


屋敷の割と手前にある厨房室をノックする。


中にはコックが二人。


初老のコックはレストランを経営していて、若いもう一人はその見習いだ。


「おはようございます。ルイさま、朝食はどうだったでしょうかね」


人のいい笑顔で話しかけてきた初老のコックに、「いつもどおり美味しかったですよ」と返す。

ルイの方が身分が上でも、コックの方が年上だ。

だからルイは、コックには敬語を使う。


「コック、メイの…」


「ああ、はい。こちらです。今日はカップケーキにしましたよ」


そう言って、小さな可愛らしいカップケーキが乗った盆を差し出す。

盆には、紅茶セットも乗っていた。


朝、あまり食べないメイのために、コックに軽食を用意させている。


それを取りにいき、与えるのがルイの役目だ。


「ありがとうございます」


いつもどおり礼を述べ、ルイは厨房室を出た。