とにかく席に座って、あたしはカバンから教科書を取り出した。


さり気なさを装いつつも、内心はドキドキ。


意識は100パーセント大樹に向かってる。


大樹の様子も、なんだかいつもと違うみたい。


あたしの方を見ようとしないし。


・・・・・・やっぱり、あたしのこと意識してるのかな?


そう思うと、ますますドキドキしちゃう。


あたしはモジモジと、落ち着きなく両手の指をひたすら動かした。


ソワソワしっぱなし。大樹を意識してるのがバレバレ。


どーしよう! このままずっと、お互い視線をそらしたまま!?


それってすっごく不自然だよね!?


クラスのみんなにも、すぐにバレちゃうよ!


あぁどーしよう、どーしよう、どーし・・・・・・


「か、佳那!? どーしたの!?」

「・・・・・・え?」


大樹の驚いた声に、ふと我に返った。


大樹のまん丸に開いた視線の先をたどると・・・・・・


「わーーー!?」


も、モジモジ指を動かしすぎて・・・・・・


無意識に教科書ビリビリに破いてたー!