あとがき


お嬢様をこっそり溺愛する狂犬の、おままごとみたいな物語が書きたかったのですが。
終わってみればこっそりどころかがっつり溺愛してしまっていて、奥ゆかしさだとかもどかしさだとか皆無だったな……と反省中です。

世間知らず……というよりは、自分知らずなお嬢様、梓織と。
世間も常識もすべてを知ってるのに、梓織のためなら平気で非常識だったり失礼だったりする発言行動をしてしまう狂犬騎士、由宇。

過保護すぎる騎士だけど、それは決して狭い世界に閉じ込めているわけではなく、自分の身を犠牲にしてまでして両手を広げて包み込んでくれているんだと、そういう事が書きたかった作品でした。
あと、なんか憎まれ口叩きあう仲なのにえっちは普通にしてるっていう、ケンカップルというかそういうのを書きたくて。

周りから見たらそれもうバカップルだろっていう感じのふたりをイメージしていたんですが……それはできたかなと思います。
糖度高かったので(笑)
多分、私がベリカフェで書いた作品の中で一番やっt……ごほん。

梓織パパが固まったところで物語は終わりましたが、この後、きっとパパは結婚を前提に付き合う事は認めながらも婚前交渉はいかんとかそういう条件出すのかなと。
(今更感が凄まじいけど)

で、由宇は未来のお父さんの言う事だしさすがに守るけど、触れてこない由宇に梓織はもどかしくなってしまって。
だけど素直になんてなれないので、何も言えなくて、そんな中、社内で横田さんが由宇に触ってるのを目撃してしまい……。
(って言っても、腕に触るくらい)

そこで初めてやきもちを感じるのかなと。
なんだかおかしな様子で見ている梓織に気付いた由宇が後を追ってエレベーターの中でふたりきりになります。
心配しながら手を伸ばす由宇を跳ねのけて、梓織が壁ドン。

「由宇は私のでしょ? なに他の人に気安く触らせてるの?」

真剣な梓織に対して、やきもちをきちんと焼けた梓織に嬉しさを我慢できずに笑ってしまう由宇……みたいなのを想像していました。

……蛇足がすぎましたね。
失礼しました。汗


最後になりましたが、この物語にお付き合いくださった皆様。
本当にありがとうございました。

また違う作品でお会いできたら嬉しいです。



2014,11,12
pinori


※次の作品は表紙のみ公開中です。
更新は近いうちにスタート予定です。