「だって由宇が急に優しくなったから、もしかして死期が近いとかなのかと思って」
「おまえになんの大病があるんだよ。大体、そんな病気持ってたらおまえ自身が気づくだろ」
「それに、こないだ中学の同窓会のお知らせがきてたの見て、行かない方がいいって言って譲らなかったじゃない。
それも、それまでに私の身に何か起こりうる可能性があるからなのかなって」
「そんなわけないだろ。あれは行くの面倒だから言っただけ」
「じゃあなんで優しい事言うの? お父さんには私を甘やかすなって怒ったくせに、私が自分の事も決められないでいるのにそのままで問題ないとか言うなんておかしいじゃない」
「あーもう、うるせーな」

急にこっちを向いた由宇と目が合った次の瞬間には、唇が重なっていて。
驚いて手をつっぱって由宇の胸を押したけれど、力を入れた由宇にあっけなくそのまま押し倒されてしまう。

「ちょ……っ、話の途中でしょ!」
「もう終わりでいいだろ。大体、おまえも言ってただろ、考えても答えが出ないって。
ならそれ以上考えたって分かんねーだろ」
「今はその話じゃないじゃない」
「じゃあ何の話?」
「由宇が……この事に関してだけ私を甘やかしてるように思えるから、なんでって聞いてたんでしょ」
「そんなん、別に意味なんかねーよ」
「嘘」
「じゃあ俺のただの気まぐれ。はい、話終わり」