「今までみたいに、ご飯食べに行くとか」

「うんうん!」

「あとは、そうだね。お休み、おはようって言うとか」

「うんうんうん!!」

「(大好きなご飯より嬉しそうなのは、ずるいな)」


なんて素敵なんだ……!


和泉さんの彼女、素敵すぎないだろうか。


ものすごく頷いたら、笑われた。


でもいいんだ、提案してくれたってことはやってくれるってことだもん。


笑顔になるわたしに、和泉さんも笑う。


「分かった」


和泉さん、と言おうとして。


考え直す。


違いはささやかだけど、こっちの方がいい気がする。


「和泉くん、これからよろしくお願いします」

「うん。よろしく、葵」


名前で呼ばれるのは、やっぱり嬉しかった。