妖精の心を貴方に

「私は、前に奈津が私の力になりたいって言ってくれた時凄く嬉しかった。だから私も奈津の力になれたらいいなって、そう思ったの」

「……俺は」

奈津は、私の事どう思ってるの?

「奈津が…、私の事邪魔だと思っているなら、私もう奈津の近くには行かないから…」

「……」

「…この後の試合も頑張ってね」

私は、踵を返し皆の所へと戻ろうとする。

私…、馬鹿だ!

奈津より私の方が馬鹿だよ、奈津の力になりたいとか思って、そしたらこんな結果になって。

(やっぱり、私じゃ誰も…)

そう思った時、奈津が私の手を掴んで自分の元へと引っ張る。

「えっ!」

気づけば、私は奈津の腕の中にいた。

「な、奈津……」

鼓動が早くなっていく。

「ごめん……、望美」

奈津が、私に優しくそう言ってくれた。

そして、私を抱きしめる腕が少し強くなる。

(な、何この展開!こんなの予想してなかったよ)

奈津は、私に「ごめん」と呟いたきり、数秒黙りこんでしまっていた。