妖精の心を貴方に

「最近うざかったのよね。ちょっと絵が上手いからって、コンクールに出しますなんて言ってさ」

「二年のくせにね」

待って。

待って……!

今直ぐでもに、先輩たちがやろうとしていることを止めたかった。

でも、足が震えて体を動かすことが出来ない。

そして、私は半分に破り捨てられた絵を見つめることしか出来なかった。

先輩たちが破り捨てた絵は、夏の前半から大切に描いてきていた絵だった。

破り捨てられた絵の片方を掴んだ先輩を見た私は、走りだして先輩の一人を突き飛ばした。

「痛っ!」

「なに……してるんですか!これは、私の絵じゃないですか!」

私は、思いっきり先輩たちを睨みつけた。

「べ、別に良いじゃない。あなたの腕なら一週間もあれば描けるでしょ!」

「あれは、ずっと前から描いてきていた絵なんです!一週間で描けるはずないでしょ!」

先輩たちは、私の怒声に驚きながら、それ以上何も言わずに教室から出て行ってしまった。

私は床に落ちていた、絵を拾いあげる。