妖精の心を貴方に

「まあまあ、望美。そんなに落ち込むなよ」

晶は、私を慰めるように肩の上の手を置いた。

「えっ、落ち込んでなんかいないよ?」

「それなら、いいけどさ」

「?」

元気づけてくれようとしたのかな?

「奈津、おはよ!」

「と、来た来た」

教室に入ってきた小早川君の姿を目にした私は、直ぐに目線を逸らした。

ユニフォーム姿の小早川君もかっこいいけど、学ラン姿の小早川君もかっこいい……。

だから心臓に悪いから、長く見ることが出来ない。

「おはよう」

クラスメイトの子から挨拶された小早川君は、元気よくにっこり笑うと挨拶し返す。

あぁ……、あの笑顔もかっこいい。

「おはよう玲緒」

「おはよう、奈津」

鞄を自分の机の上に置いた小早川君は、神奈月玲緒(かんなづきれお)君のところへと向かった。

「今日どうしたんだ?朝部活休んでさ」

「そろそろ、テストが近いからね。その為に予習しているんだよ」

青ぶち眼鏡の奥が鋭く光った。

「またテストかよ?試合近いんだぞ」

「分かってるさ」