「本当にいらないと思ったら壊すはずだよ、壊すか、あるいは造り替えるか。
いらないとはまた少し違ってくるけど、失敗していたり欠陥が見つかったりしたら造り直すでしょ?
壊されなかっただけよかったじゃない。
本気でいらないと思われてなかったってことよ」
我ながらいい言い直し方だと、リビアの表情が自然と緩まる。
しかしニコは眉ひとつ動かさずに首を傾げた。
「でも、それって要するにぼくは壊す価値もないゴーレムという意味になりますよね。
あるいは、直しようもない欠陥品だと」
二人の間に沈黙が流れる。
遠くにある市場の喧騒が微かに聞こえてくる。
やがて、重いため息をついてリビアが肩を落とし、ジト目でニコを見た。
「……前からちょこちょこ思ってたけど、あんたってどうしてネガティブにばっか物事を考えんのよ?」
「そうですか?」
「そうよ」
人がせっかくフォローしたあげたのに、とややげんなりした顔つきになってリビアが言う。
ニコは肩を竦めて謝った。
「すみません。
多分、マスターに出会う前から持っていた『心』が原因だと思います。
この6個の『心』には、負の方向に働きかける力があるので」


