「え?なんであんたが知って……ああ、レムリアンが教えたのね。
そんな大層なものじゃないわよ。
あの大時計に、時間ぴったりになったら扉が開いて飛び出してくる人形よ」
「時計って、もしかして4つ全部か?」
セドナは眉をひそめて、中央塔を見上げた。
塔の中程のところには東西南北、デザインの異なる時計が設置されている。
人形が出てくる部分もかなり大きい。
1体の大きさは、弟子入りできる年齢の子どもと同じ背丈らしい。
「全部で何体造ったんだ?」
「えっと、あたしが担当したのは南側と西側の大時計の仕掛けだから……。
音楽隊8体とサーカス7体で、15体かな」
「そんなに作ったのか?」
「製作依頼は去年受けてたからね、そこまで大変じゃなかったわよ」
こともなげにリビアは言った。
大変な作業でも大変だとは口にしない、職人の鑑である。
セドナが顎を引いた。
「リビアって」
「なによ」
「いつも仕事しないで遊んでいるイメージしかなかったから、仕事している話聞くと違和感」
「なによそれ、失礼しちゃうわね。
あたしはやりたいことを毎日思いっきりしているだけよ。
もちろん仕事も好きなことだし、しっかりやってるわ」


