「何が『ひどい』なのよヒーラー!
ひどいのはあんたの方でしょ、久しぶりに会った友達に向かって『あんた誰よ?』って何!?
そんな薄情な奴だとは思わなかったわ」
「だだ、だって、リビアが変わりすぎてたから気づかなかったのよぅ。
あのお騒がせ男がいなくなってから、もうずっと会ってなかったし。
それに見覚えない人にいきなり『久しぶりじゃない』って話しかけられたら、誰だって困惑するしそう言うわ」
「あんたの事情なんて知らないわよ。
あんたなんかに忘れられたことがムカつくのよ!」
「そんな」
理不尽なリビアの言葉にヒーラーがますます青くなる。
セドナの背中にぴったり貼り付いて辺りを見回していたが、何か思いついた様子で手を離して叩いた。
振りほどこうと身をよじっていたセドナだが、抵抗が急になくなり、べしゃっと地面に倒れる。
「あぁ~らっ、いっけなぁい!
先生に言われてた時間過ぎちゃったわ。
セドナ、ワタシはもう行くから、あとはあんたに任せるわよ!」
「ええっ、先生は別になにも言ってなかったんじゃ……」
セドナの言い分にちらとも耳を傾けず、ヒーラーは脱兎のごとくこの場から走り去った。
要は逃げたのである。
ため息をついたリビアが、手板を構えてセドナを見下ろした。


