極彩色のクオーレ






セドナは積み上げられている石材に腰掛けた。


まだ修理作業の時間にならないので、ニコも隣に座る。


持っていた工具をくるりと回してポーチにしまった。



「それで、何ですか?」


「あ?」


「ぼくに何か用事があって、ぼくの頭を叩いたんでしょう?」


「あ、叩いたって分かったか?」


「はい」


「いや、別にこれといった用はなかったんだけどな。


先生が今お偉いさんと打ち合わせしてて、それが終わるまで暇だからここらへん歩いていたらお前を見つけたってだけだよ。


外壁修理は進んでるか?」



ニコは塔を見上げた。


一緒にセドナも視線を空へと向ける。


午前中いっぱいは、北側の外壁のひび割れの補修と塗装を行っていた。


反対側はすでに大工たちが終わらせてある。


彼らの打ち合わせが済んだら、次は支柱の修理だ。



「え、もしかしてこの外壁、お前独りで修理したのか?」



セドナはきれいに塗ってある東雲色の壁を軽く叩いた。



「はい」


「3時間ちょっとだろ……すげえな、お前」


「ありがとうございます。


他の職人にもそう言ってもらいました、『やっぱり腕がそこらの修理屋と桁違いだ』って」


「それって、褒めてんのか小バカにしてるのか、微妙な言い方だな」