極彩色のクオーレ






ニコはティファニーの想いを優先してすぐに依頼を引き受けた。


セドナはかなり渋っていたが、内装の製作依頼を工房がされたと聞いたので仕事へ行くことにした。


けれども今朝、行くべきか残るべきかをギリギリまで決めかねていた。



「そんなに心配しないで。


前の生活に戻すだけなんだから、前はこれが普通だったんだよ。


セドナも、夕方会うまで私の心配とかしてなかったでしょ?」


「まあ、確かにそうだけど」


「それにこれ以上仕事を休んでいたら、ルーアンさんにも悪いわ。


飾り職人の腕が鈍っていたら大変だよ」



ティファニーに正論を言われ、結局セドナはニコと一緒に街へ向かった。


その道中何度も振り返っていたし、「あいつ大丈夫かな」と珍しくおろおろしていた。



(セドナは本当に、ティファニーのことを大切に思ってくれているんですね)



ニコはそう感じたが、口に出すとセドナに怒られることは学習済みなので胸にしまった。


それから街の大通りで別れ、現在に至る。


中央塔はルースが職人の街として知られる頃から建っている、この街のシンボルマークである。


外装や支柱などの老朽化が懸念されて、今回大規模な修理を行うことになったのだ。


万が一倒壊してしまったら、ロスティルとクロアや使用人たちだけでなく、周囲の民家まで巻き込まれる可能性が高い。