「……セイクリッド」
「うん?」
「あなたについて行って、誰もいない場所へ行けば……セドナたちは傷つけられない?
ニコたちも壊されないで済むの?」
「もちろん。僕が保証する。
彼らに周囲から危害が加えられないように動くよ。
元々、そういったことは得意だからね」
「……約束、してくれる?」
「ああ、約束する」
ティファニーはあげていた肩をすっと降ろした。
何もしゃべらず静かに涙を流す。
セイクリッドは銃をしまって、ティファニーの両腕を後ろへ回させ、細い身体に縄を巻いていく。
その口許には薄く笑みを浮かべているが、背を向けているティファニーには見えていなかった。
(これで、クイーンは落とした。
あとはキングの座を奪うだけ……これで祖国の力になれる)
縄を硬く縛り、セイクリッドは部屋で拾った細紐をティファニーの目に被せた。
もう一枚布を手にして、ティファニーの前に方膝をつく。
「……ああ、そうだ、最後にいいことを教えてあげるよ」
「え?」
セイクリッドはティファニーの肩に手をのせ、そっと耳打ちする。
彼の話を聞いて、ティファニーは後頭部を鈍器で殴られるような衝撃を受けた。
青ざめた表情で訴えようと口を開く。
だが声を発する前に、折り畳まれた布をつっこまれた。
次いで、首に何かが強く当たる。
「さあ、ニコたちに気づかれる前に行こうか」
その言葉を耳にしつつ、ティファニーの意識は沈んでいった。
(ニコ――助けて)
届かないと分かっていても、助けを乞いながら……。


