セイクリッドは淡々と述べていった。
その無数の文字がすべて刃となって身体中に攻撃してくる。
目頭が熱くなる。
でも泣くまいと唇を強く噛んでティファニーは耐えた。
込み上げてくる情を刺激しないようにしゃべる。
「……私は、もうここには居られないの?」
「いや、そんなことはないよ」
セイクリッドは優しく言って、空いている手で縄を握った。
ティファニーを拘束するために狩人たちに用意させたものである。
「『無色の瞳』が不幸を呼び寄せるのは、持ち主が成人を迎える年だけだ。
君はもうじき16になるだろう?
だから今年が終わるまで、君にはルースだけでなく人里を離れてもらいたいんだ。
このことは狩人たちにも話して了解を得たうえで協力してもらっていたんだけど、血の気が多いせいで先走ってしまったね」
セイクリッドが静かに喉の奥で笑う。
けれども、彼の言葉の半分もティファニーは理解が追い付いていなかった。
視線を土まみれの膝に落として思考を巡らす。
(ルースがこんな状態になったのは、私が『無色の瞳』を持っていて成人になるから……。
だから、私が人里から離れれば、誰も大きな被害や影響を受けないということ?
でも……みんなと離れて誰もいないところへ行くのは、嫌だ)


