「見たのね、私の目」
セイクリッドは答えない。
だが、その沈黙は肯定を示していた。
ティファニーは胸に当てた手を強く握る。
「怖いのは知ってるよ……そういう目だから。
でも、それだけ。『無色の瞳』はただ怖く感じるだけなの。
見なければ怖くないから……それ以外に被害なんて、ないから」
「嘘をつけ!」
誰かが叫んで、持っていた銃を天井に向けて発砲した。
狭い空間に轟いた音に、全員の耳が痛む。
ティファニーは肩と首をすくめ、踏み出した足を戻した。
発砲した男は銃弾を装填し、照準をティファニーの胸に合わせてまくしたてる。
「白々しいこと言いやがって。
そんな大嘘が通用するわけないだろ?
俺たちは知ってるぞ、てめえのその目のせいでルースに不幸が引き寄せられてるんだ」
「そ、そうだ、全部お前のせいだって分かってんだよ。
『他に被害はない』だ?ふざけたことを言うのも大概にしとけよ、化け物のくせに!」
化け物
その言葉がティファニーの胸に深く、深く突き立った。
一瞬だけ、身体を巡っている血が凍りつく。
衝撃のあまり呼吸ができなくなった。


