廊下を走る音が迫り、ドアが乱暴に開かれた。
ティファニーは片手で目隠しの端を押さえながら、闖入者たちの方に向く。
人数は分からない。
だが、ただならない殺気を複数感じとった。
「動くな」
そのうちの一人に怒鳴られ、ティファニーは肩を震わせた。
同時に、猟銃に弾を装填する冷たい音が複数聞こえる。
土足のまま荒々しく家に入った狩人たちが、黒く細長い筒を構える。
「今までだましやがって、覚悟しろ」
撃たれる。
ティファニーが身体を強ばらせたとき、後から入ってきた人物が彼らを止めた。
「銃を降ろして、彼女を撃ってはいけない」
「せ、セイクリッド……?」
耳に入った声にティファニーは絶望した。
ずっと懸念していた人が、狩人を連れてここに来た。
その意味を悟れないほど愚かではない。
「驚かせてごめん、ティファニー。
久しぶりに会いに来て、体調が芳しくないのにこんな訪問をして失礼だとは思っている。
でも、お願いだから僕たちに抵抗しないでほしい。
君がおとなしくしててくれれば、余計な危害を加えないから」
テーブルをはさんでセイクリッドはティファニーに対峙した。
諭すように言う彼の声音は、以前会ったときと変わらず優しく響く。
けれど、そこには何も含まれていなかった。


