それは自然と、喉の奥からするりと出た言葉だった。
ほとんど無意識だったので、言った自分がいちばん驚いていた。
だからこそそれが自分の本心であると理解できる。
宣言したばかりの言葉を胸中で繰り返す。
なんだか恥ずかしくなって、ティファニーは顔を赤らめて口許に指を添えた。
「……すごいこと言っちゃった。
こんなこと今まで考えたときもなかったのに、いつから思っていたのかな……」
だが不思議と、その望みが叶うのではないかという気持ちが膨らんだ。
空中楼閣のような夢物語のような目標、だけど不可能ではない。
懸命に努力していけば、実現できると思えてきた。
薄暗かった目の前が真っ白な光で明るく輝きだす錯覚をおぼえる。
それと同時に温もりが広がった左胸に、ティファニーは手を重ねた。
(これが、『希望』。
ニコがギベオンに教えてもらった心……)
胸に手を当てる。
言葉にしたことで、より一層強く実感した。
暗くまとわりついていた不安が、あっという間に一掃される。
「……やっぱり、普段は意地悪ばっかりだけどギベオンはいい子ね。
こんなに素敵な心をニコに教えてくれるなんて」


