「大切な人たちと一緒に、心を学んだの。
私自身も、ニコに教えながら、逆に教わったわ……って、これ前にも話したっけ」
ふわりと風が舞い込んだ。
秋らしく冷たく、けれども太陽の熱と匂いをほんのり纏っていた。
ティファニーはそちらを向いた。
外を満たしている洗い立ての白い光は、まだ昼間の空気に馴れていない目には眩しすぎる。
この光を堂々と見れるなんて、6日前の自分は想像していただろうか。
「ニコたちの前で目隠しを外して、とても怖かったけど、大事なことを知ったよ。
私のことを本当に大切だと思ってくれる人は、こんなことくらいで離れて行ったり差別したりなんかしない、みんなのこと、もっと信頼すればいいんだって。
みんなが、本当の仲間なんだって実感できたよ。
まだ怖いけど、いつかみんなの前でも、このままの私でいたいなって思う」
ティファニーは隠していない自分の顔に触れた。
「約束破ってごめんなさい。
だけど私、大丈夫だよ、お母さんたちが心配していたようなことにはならないから。
いつもの生活に戻れたら刺繍屋の仕事に戻るわ、たくさんお休みをもらった分は働かないとね。
まだ時間が欲しいけど……人と触れ合うことは止めないよ。
私ルースが大好きだから、街の中で目隠しを外すことができてからも、ずっとここで刺繍屋をやるわ。
それで、みんなに喜んでもらえる作品をたくさん作るの」


