だから、セイクリッドに秘密を告白するということは、自殺行為も同然であると思えてならなかった。
話した直後は、いたわりの言葉をかけてくれたり優しくしてくれたりするだろう。
でも、セイクリッドはルースを救うためにはるばるやって来た。
ティファニーの『無色の瞳』を危険分子と判断したら、徹底的に排除しようと動くだろう。
これまでの絆や関わりなどまるでなかったかのように。
それに、自分の仲間だという理由でニコたちが巻き込まれてしまったら……。
想像した最悪の光景が、瞬間的に脳裏をよぎっては消えていく。
ティファニーは頭を強く振って、恐ろしい幻影を追い払った。
「何を考えているのよ、ティファニー。
そんな悪いこと起こるはずないわ、考えるからいけないのよ。
私のだめな癖だわ。
大丈夫、大丈夫、落ち着いて……」
ティファニーは声に出して自分に言い、乱れ始めていた呼吸を整える。
言葉にすれば、本当にそうなるような気がするのだ。
不安になったとき、悪いことしか考えられなくなったとき、こうして自分の心を鎮めるようにする。
ようやく頭が楽になったティファニーは、棚にある写真立てに手を伸ばした。


