目を隠すたびに『逃げているのではないか』と、闇のなかで問われた。
それはもう一人の自分の声だった。
秘密をニコたちに話した時点で、この先もこの問題に付きまとわれることは確定していた。
立ち向かわないで、こうやって隠しているのは、逃げていることになるのだろうか。
引き延ばしていても、いつかは向き合わなければならないことは分かっている。
でも、まだそれはできない。
(もう少し待って、まだ覚悟ができてないから、時間をちょうだい……。
覚悟を決めたら、ちゃんと立ち向かうから、それまで待ってて)
自身に言い訳している自分が情けない。
今朝も同じことをやった、ティファニーはそれを思い出してため息をついた。
引っかかりはまだ他にある。
暗闇に、目隠しがほどけたあの一瞬で見たセイクリッドの姿が浮かんだ。
彼が『無色の瞳』を見たのかどうかは、結局分からないままでいる。
ティファニーが会うのを断り続けていたせいか、セイクリッドはしばらく家には来ていない。
元気になったら連絡してくれと言われたが、それはまだしていなかった。
もしあのとき見られていたのなら……そう考えると、とても教える気にはなれなかったのだ。


