* * *
『……できた!お母さん、見てみて。できたよ』
『まあ上手ね、ティファニー。こんなに早く覚えちゃうなんて、お母さんびっくりよ』
『もう見えなくても平気になってきたわ。
家の中、どこに何があるのか大体分かってきたもの』
『そうね、でもまだ危ないから、杖はちゃんと持っておきなさい』
『えー、私転んだりつまずいたりしないよ、大丈夫。
ほら、こんな風に歩いても何にもぶつからないでしょ、へっちゃら、きゃあっ』
『ティファニー、椅子につまずいたの?
大丈夫?針に気を付けて』
『うう……椅子しまうの忘れてた。針は大丈夫だよ、ちゃんと山に刺しておいたから』
『偉いわ、それなら床に落としてもケガしないわね。
でも、杖は持って生活するのよ。
あなたがお母さんのようになるには、まだまだ時間がかかりそうね』
『えー……』
『お母さんも、この目隠しになれるのに何か月もかかったのよ。
ティファニーはお父さんに似てうっかりさんだし、お母さんに似ておっちょこちょいだから、もっと必要になるかもしれないわね』
『はぁい……』
『さ、刺繍屋のお仕事はおしまいよ。
お夕飯の支度をしましょうね、手伝ってくれる?』
『うん!今日は何つくるの?』


