極彩色のクオーレ






「その人物にはもう、この街の民と強固な絆を持っています。


今ここでヘタに事を急げば、当人だけでなくその周囲にいる無関係な人まで傷つけてしまう、それだけは何としても避けたい。


それに当人には自分が元凶だという意識が皆無ですから。


いきなりそれを突きつけても、残酷な事実を認められず混乱させてしまうだけです」


「じゃあ、どうすんだよ」


「それをこれから考えましょう。


どうすれば傷つく人間を最小限にでき、更なる災害からルースを守れるのかを。


……どうか、皆さんの知恵を貸してください」



ロスティルたちは困った表情を見合わせた。


考えあぐねている様子だ。


当然だ、いきなり街の民に『彩霞ノ民』がいると教えられ、はいそうですかと認められるはずがない。


一通り顔を見回したロスティルが、セイクリッドの空色の目を見つめて言った。



「それで……その落とし子とは誰なんです」



セイクリッドは顔を窓に向けたまま、そこから移動した。


そして足を止めた別の窓。


そこから見える、夜空との境界線を失った森に目を向ける。


胸のなかで薄く笑いながら、セイクリッドは想いを寄せていた者の名を告げた。



「その落とし子は……」